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リスクを敢えて犯したハミルトン。
ドイツGP予選トラブルの背景とは。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2014/07/27 10:30
ドイツGP予選Q1でブレーキの故障によりタイヤバリアに衝突したハミルトン。衝撃は30Gにも及んだという。
チームメート同士の優勝争い、というプレッシャー。
トラブルが発生した後、メルセデスAMGとハミルトンは、レースに向けてブレーキの素材をブレンボ社が供給するものから、チームメートと同じカーボン・インダストリー社製に変更。20番手からスタートしたレースでは問題なく67周を走り切り、3位に入賞した。
もし、土曜日にトラブルに見舞われていなければ、ハミルトンにも大いに優勝するチャンスはあった。少なくとも2位は確実だった。それでも、ハミルトンはリスクを犯してブレンボ社が供給するブレーキディスクを選んだ。そして、トラブルに見舞われた。
これで4点差に迫っていたロズベルグとの差は、14点と開いた。優勝25点、2位18点というポイントシステムとまだシーズン中盤であるということを考えれば、その差はまだ僅差。しかし、チームメート同士でタイトル争いをしている者には、私たちにはわからないプレッシャーが存在するのだろう。今回のブレーキトラブルは、そのことを思い知らされた一戦だった。