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「自分たち」の前に「自分らしさ」。
ザックの指示を超える主体性を。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2014/06/24 10:30
岡崎、そして大久保とのコンビで右サイドを制圧している内田篤人。CLに出場し続ける男は、日本代表の中でも大舞台の経験は群を抜いている。
パワープレー指示を拒否することも?
ここまでの2試合で及第点がつけられるのは、右サイドバックの内田篤人くらいだ。ギリシャ戦の川島永嗣も、少ない守備機会で好守を見せた。トロシディスの一撃を弾き出した彼のセーブがなければ、勝点1さえつかめなかったかもしれない。
コロンビア戦の終盤を、あと1点が必要な状況で迎えたとしよう。ザックがパワープレーを指示しても、拒絶するぐらいの気概を見せてほしいのである。「自分たちのサッカーを表現する」とか、「自分たちのサッカーに自信を持つ」というのは、そういうことではないのか。
もしパワープレーをするにしても、ザックの指示を待たなくていい。残り5分限定ではなく、80分から吉田麻也が上がってもいいだろう。選手主導で判断を下す意味では、それもまた〈自分たちのサッカー〉である。
試合終了と同時に倒れるぐらいまでやれ、とは言わない。ただ、コロンビア戦の重要性を考えれば、試合後に立っていられる選手はいないはずである。それぐらいの闘志と、情熱と、責任感を注がないかぎり、奇跡など起こすことはできない。