ブラジルW杯通信BACK NUMBER
日本の「コンセプト」を呼び覚ませ。
本田のゴールが日本にもたらす効果。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2014/06/17 10:30
南アフリカ大会から通算3得点、日本のW杯史上最多得点者に躍り出た本田圭佑。エースが決めれば、チームは動く。ドログバがコートジボワール戦で見せた「エース」の存在感を発揮できるか。
決めるべき選手が決めたチームへの期待感。
6月15日までに消化されたゲームでは、各国のエースストライカーが結果を残している。ブラジルのネイマールは、開幕戦で2ゴールをマークした。スペインを粉砕したオランダは、ファンペルシとロッベンが2点ずつをあげた。メキシコはペラルタが、チリはアレクシス・サンチェスが、フランスはベンゼマが、得点者のリストに名を連ねた。
決めるべき選手が、得点をあげる意味は大きい。ゴールを記録したストライカーは自信を深め、ボールへの関わりに意欲的になる。チームのパスワークに積極的に顔を出すので、攻撃がテンポ良く流れていく。誰が取っても1点に変わりないとはいえ、ストライカーがゴールする価値は見落とせない。
コートジボワールに逆転負けを喫した日本も、取るべき選手がネットを揺らしている。本田圭佑があげたゴールは、彼自身はもちろんチームの攻撃をスムーズに運ばせる期待を秘める。
結成当初からのチームコンセプトを呼び覚ませ。
コートジボワール戦から一夜明けた日本は、ベースキャンプ地のイトゥでトレーニングを再開した。試合直後の前夜はさすがに沈滞ムードが漂ったとのことだが、川島永嗣の表情にかげりはなかった。
「攻撃でいいテンポを作れれば、ゲームをコントロールできる。守備でうまく耐えられることもできる。それだけに、守備も含めて攻撃を改善していくことが必要だと思う。まだ1試合終わっただけですが、追い込まれてくるところもある。ギリシャ戦は勝たなきゃいけないわけで、どれだけ精神的にいい状況で臨めるかが大事になってくる」
森重真人がまずあげたのもメンタルだった。
「ギリシャ戦に向けては、戦術よりも気持ちの部分が必要だと思う。このチームがいままでやってきたこと、一人ひとりの能力に間違いはないので、勇気をもってプレーできるか。個人的にももっともっとチャレンジすることが必要で、それによって勝利に近づくことができる」
ブラジルW杯に、このチームは何を求めてきたのか。主導権を握るサッカーで、勝利をつかむことである。攻撃性能を発揮したうえで、上位に食い込むことだ。
コロンビア戦にグループステージ突破の可能性をつなげるためにも、結成当初からのチームコンセプトを呼び覚ますのだ。
勇気とバランスである。
選手も、ザックも。