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「鋼鉄の男」サネッティが遂に引退。
“4EVER”インテリスタの19年間。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2014/06/10 16:30
サネッティは引退後も「永遠の試合は、まだ始まったばかりだ」と語る。
OB戦でも右ミドルを叩き込んでみせた。
8日、サネッティは、サンティアゴ・ベルナベウで行なわれたOB戦「レアル・マドリー・レジェンダスvsインテル・フォーエバー」に出場した。
ジダンから先制点を決められると、サネッティはお返しとばかりに、前半25分に目の覚めるような右足ミドルシュートを叩き込んだ。再びリードを許すが、78分にはコウトのヘディングゴールを華麗にアシスト。公式には今月30日まで選手契約を残すサネッティが、1ゴール1アシストの活躍で、名門クラブ同士の熱戦を2-2のドローに持ち込んだ。
「これからも私はインテリスタとして生きていく」
どんなに名残惜しくても、そろそろサネッティは勝負服をスーツとネクタイに着替えなくてはならない。
彼の次のポストはもう決まっている。
インテルは7月になるのを待って、背番号「4」の永久欠番とサネッティの副会長就任を発表するはずだ。
クラブ幹部としてデビューするサネッティには、トヒル会長から「英語とスポーツ経営マネージメントをよく学ぶように」とお達しが出ている。
サネッティは、'06年に死去した元会長ファッケッティを敬愛していた。現役時代をキャプテンとして務め上げ、引退後もクラブの要職としてインテルのために尽くしたファッケッティこそ、サネッティが辿るべき新たなキャリアのお手本だ。
引退セレモニーで、永遠のカピターノは誓った。
「“現役選手としてのサネッティ”は終わった。だが、これからも私はインテリスタとして生きていく。ずっとグラウンドでそうしてきたように、私はインテルを護り続ける。インテルを愛し続ける」
19年前、ブエノスアイレスからやってきた色白の青年は、いつしか鋼鉄の男として、サンシーロの伝説になった。
すべてのインテリスタたちの希望とともに、サネッティ第2のサッカー人生がもうすぐ始まる。