キューバはラテンのノリというよりも、実直で素朴。

――キューバではリーグのコンベンションにも日本人で初めて招待されて出席したそうですが、国技でもあるキューバの野球熱に肌で触れていかがでしたか？

「盛大なイベントでしたね。キューバの名立たる方々がずらーっとご列席されていて、様々な方と控室でご挨拶させていただきました。最前列で一人だけ東洋人で、たぶん壇上から選手たちがみていて、かなり不思議な光景だったんじゃないでしょうか（笑）。でも、あのコンベンションで一番驚いたのは、やっぱりユーリ（グリエル）の人気です。彼の名前が呼ばれて登場した時の歓声は……他の選手とはまるで違う。本当に英雄なんだなと実感しましたね。お父さんもプレゼンターで登場していましたし」

――そうですか。やっぱりラテンなノリのキューバだとお客さんの盛り上がり方も凄そうですね。

「いや、これは今回現地に何度か行って、ビジネスでキューバに携わってみて感じたことなんですが、もちろんお祭り騒ぎになればラテンなノリでいっぱいなのでしょうが、キューバという国はラテンのノリというよりも、実直で素朴な印象を受ける人たちが本当に多い。会話でも自分の伝えたいことをしっかりと伝え、交渉事に対してもしっかり誠実に信頼関係を持って進めてくれる。教育がしっかりされている国だとも聞きますしね」

一人の選手の加入でチームが変わることはある。

――なるほど。と、なると今回のグリエルが日本で成功すれば、これを契機に日本野球とキューバ野球の関係はさらなる可能性が見込めそうですね。そういう意味でも、国民的英雄をチームに預かるという意味は大きいですね。

「そうですね。キューバで街中で現地の人たちの話を聞いてきたんですけど、やっぱりみんなグリエルの事を気に懸けていました。『日本でも活躍してほしい』『頑張ってほしい』という声をたくさん聞きました。獲得できたからと言って浮足立たずに、DeNAベイスターズとして彼に活躍してもうためのサポートを最大限行って、その結果成功してもらいたい。

　一人の選手の加入でチームがガラリと変わることはあります。ユーリ（グリエル）は、このチームを代えてくれる。それだけの可能性を持つ選手です」

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