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コートジボワール“最速”の男。
ジェルビーニョはいつも裸足だった。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2014/05/26 10:40
今季はローマでチーム2位の9得点をあげ、ロマニスタたちの歓声を浴びたジェルビーニョ。ル・マン時代には松井大輔とチームメイトだったことも。
最速の男は、日本のDFをぶっちぎるか。
足取りは軽快でも、ジェルビーニョの言葉は軽くない。
「人生何事もなく生き抜いてきたアフリカ人選手にお目にかかったことはないよ。国では内戦もあったし、両親も戦乱で死にそうな目に遭った。俺はそんな国の代表なんだ。全力を尽くすよ」
初対面の人間の前では内気なジェルビーニョが、ローマでいち早く打ち解けたのが、ギリシャ代表のDFトロシディスだった。シーズンが終わる前に「2人とも決勝トーナメントに行けたらいいな」と誓い合った。
すべての参加国が、グループリーグ初戦に照準を合わせてくる。
コートジボワール代表最速の男ジェルビーニョの頭にあるのは、6月14日のレシフェで、日本のDFたちをぶっちぎることだけだ。