ブラジルW杯通信BACK NUMBER
バルデラマ時代のドラマが大ヒット!?
コロンビア「黄金期」の甘美な記憶。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2014/05/20 16:30
「最強チーム」で挑んだ1994年のアメリカW杯、バルデラマは10番を背負い国民に夢を与えた。ペケルマン現監督は「最強」を塗り替えることができるか。
ブラジル大会を、いつか思い出すために。
マトゥラナが危惧するのは、国際舞台から長く遠ざかっていたブランクと重圧だ。
「16年も待っただけに、ブラジル大会出場が国民にもたらした歓喜は言葉にできないほど大きい。だがその分、W杯の本番で母国の多大な期待を背負ってプレーする重圧を今の代表選手たちは知らない。W杯のプレッシャーは経験した者でなければわからないのだ」
一見陽気なコロンビア国民の日常は、物騒で血生臭い麻薬戦争と背中合わせだ。将来の代表入りを嘱望された有望な若手選手がギャングの犠牲となった例も多い。代表選手たちは、「国民に明るい話題を届けたい」と口を揃える。
歴代最強チームから20年、たった一度のベスト16進出からは24年が過ぎた。
2014年の“カフェテロス”は、いつかTVドラマ化されるような美しい記憶を残せるだろうか。