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人種差別騒動にも負けず、戦い続けるクリッパーズ。
~オーナーの失言が生んだ結束~
posted2014/05/16 06:00

選手たちは練習着を裏返してチームのロゴを隠すことで、オーナーの差別発言に抗議した。
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AFLO
ロサンゼルス・クリッパーズのヘッドコーチ、ドク・リバースは、シーズン前から選手たちに、「苦しい時を乗り越えたチームこそチャンピオンになることができる」と言っていた。元選手として、'08年にボストン・セルティックスを優勝に導いたヘッドコーチとしての経験からくるアドバイスだった。
それだけ経験豊かなリバースにも想像もできなかったような逆境が、4月末、チームを襲った。プレイオフ1回戦のシリーズ中に、チームのオーナー、ドナルド・スターリングの人種差別コメントがゴシップ系ウェブサイトTMZに掲載されたのだ。自宅で録音された会話の中で、スターリングははっきりと黒人差別思想を口にし、チームの黒人選手たちについても、奴隷制時代に通じるような差別思想と取れる発言をしていた。
