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J2降格も監督続投で、開幕12連勝!
“湘南スタイル”に潜む2つの秘密。
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byShonan Bellmare
posted2014/05/08 10:50

開幕12連勝はJ2の新記録を更新中。サプライズ降格といわれたジュビロ磐田を大きく突き放し、1年でのJ1復帰へ向けて最短距離で走り続けている。
J1からのオファーを断って残留した主力も。
主力選手もほとんどが残留した。新天地を求めたコアメンバーは、高山薫とハン・グギョンぐらいである。新シーズンへのスタートラインが高いうえに、J1にインパクトを記した3-4-3のスタイルに磨きをかけているのだ。驚異的な開幕ダッシュも、決して不思議ではないだろう。
「昨シーズンのJ1で、自分たちのスタイルに磨きをかけて、目ざすサッカーをブレずにやったことが、今シーズンにホントに生きています。J1では結果は付いてこなかったですが、自信になった部分はありますし」
こう語るのは、セントラルMFの永木亮太だ。活動量豊富なチームのダイナモは、セレッソ大阪からのオファーを断って残留している。
「変えてはいけない部分があるからやらせてもらっている」
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キャプテンの思いを、曹監督が受ける。
「結果責任で言えば、解任という選択肢もクラブにはあったはず。そういう部分での責任をすごく感じつつ、僕が継続して監督をやらせてもらう意味を考えると、チームのストロングポイントを変えてはいけない。新しい監督さんが来られたら、おそらくは変化させることが前に出てくると思うんですね。でも3年目の僕がやるということは、変えてはいけない部分があるからやらせてもらっている、と思っている」
でも、と断りを入れて、45歳の指揮官は続ける。
「変わっていかなければいけないところもある。それは、僕自身も、選手たちも」
湘南スタイルを維持するだけでなく、深化させるために。
曹監督が下した決断こそが、快進撃のふたつ目の理由である。
後編の『“カオス”を生み出す超攻撃的3-4-3。湘南が挑む、目が離せないサッカー』はこちらです。
