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“マスターズが特別”は過去の話!?
ミケルソンと松山英樹の温度差。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2014/04/09 11:30
予選ラウンドでの組み合わせでは、2008年のマスターズで3位タイに入ったブラント・スネデカー(米国)と回ることになった松山。日本のゴルフファンに、是非マスターズで優勝争いする姿を見せて欲しい!
短くてぶっきら棒な、松山の言葉だが……。
前週からオーガスタ入りし、すでに2.5ラウンドを回ってはいるが、火曜日は9ホールだけで練習ラウンドを切り上げ、その理由を尋ねられると「気が向かなかったから」。パー3コンテストは「出ない」。緊張は「するんですかね?」。マスターズとオーガスタをどこまでも崇めるミケルソンの饒舌な言葉と比べると、松山の言葉は、なんて短くて、ブツ切れで、ぶっきら棒なことだろう。
しかし、ほんの少しだけアングルを変えながら彼の言葉に耳を傾けてみると、あれこれ想像が膨らんでくる。
今年のマスターズは全出場者の4分の1が初出場。
故障が続いている左手首は「大丈夫」としか松山は答えない。が、それが本当は大丈夫ではなく、痛みがかなりあるのだとしたら、彼の返答は、痛みと不安と悔しさを押し殺しながら、精一杯、意地を張り、突っ張っているとも考えられる。
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いやいや、松山の言葉通り、手首が本当に大丈夫なのだとしたら、気ままに練習ラウンドを切り上げ、パー3コンテストにも出場せず、緊張すらしそうもないという松山は、もはやミケルソンらとは何かが異なるニュータイプのプレーヤーなのか?
どうやら、その見方には一理ありそうだ。
今年のマスターズは初出場選手が史上最多の24人。全出場者のほぼ4分の1が初出場ということになる。驚くなかれ、大会名が「マスターズ」になって以来、初出場選手による優勝は1979年のファジー・ゼラーが最初で最後だ。“新参者”がオーガスタを制するのは、それぐらい難しいと思われてきた。
だが、今年の24人の“新参者”たちは、そんな謂れには耳も貸さず、目もくれず、「目標は優勝です」と豪語している。
現在フェデックスカップランク1位のジミー・ウォーカーは、今季3勝を挙げて絶好調だが、昨季までは地味でうだつが上がらず、だからマスターズは今年が初出場。それでもウォーカーは「オーガスタは僕のゴルフスタイルに合っている。適している」と開幕前から言い切り、初出場なんてなんのそのと言わんばかりに優勝を目指している。ビリー・ホーシェル、パトリック・リード然り。
そして、マスターズは3度目ながら、プロとしては初めて挑む松山も「目標は優勝です。その他に目標立ててどうすんですか?」