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“マスターズが特別”は過去の話!?
ミケルソンと松山英樹の温度差。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2014/04/09 11:30
予選ラウンドでの組み合わせでは、2008年のマスターズで3位タイに入ったブラント・スネデカー(米国)と回ることになった松山。日本のゴルフファンに、是非マスターズで優勝争いする姿を見せて欲しい!
タイガー・ウッズの姿が無い2014年のマスターズ。実質的に優勝を狙える選手の中で、オーガスタと最も相性がいいと思われるのは、過去3勝を挙げたフィル・ミケルソンだ。
長年、「メジャータイトル無きグッドプレーヤー」という屈辱的称号を冠せられてきたミケルソンが、ついにマスターズを制し、メジャー初タイトルを獲得したのは2004年、33歳の時のこと。
「あれから10年なんて信じられない」と、感慨深げに振り返ったミケルソン。あのときの初優勝は「一体、いつメジャーに勝てるんだと問い詰められるプレッシャーからやっと解放されたという安堵だった」。そして'06年大会、'10年大会の優勝は「安堵ではなく、エクスタシーっぽい喜びだった」。マスターズ制覇を重ねていくにつれ、優勝の味はそんなふうに変化していくものらしい。
とはいえ、ミケルソンにとってのグリーンジャケットは、永遠に人生で最高のオシャレ着だ。
オーガスタに向かうプライベートジェットの機内でも、マグノリアレーンを通り抜けてクラブハウスへ向かう車内でも、彼はグリーンジャケットを羽織ってかしこまっている。あるときは、その格好のままドライブスルーでドーナツを買う姿まで目撃されてしまった。
ミケルソンにとって、最も“特別な場所”。
今年は2週前のテキサスオープン3日目に右半身を痛めて今季2度目の途中棄権。シーズン序盤からマスターズに至るまでの日々は、ゴルフも体調も決して好調ではなかったが、それでもミケルソンは火曜日に開かれた会見に笑顔で臨んだ。
「マスターズウィークのオーガスタは特別な場所だ。昨日も今日も、ここにいる日々を楽しんだ。明日はパー3コンテストがある。そして木曜日の初日が待ち遠しくてたまらない」
自身3度目、プロとしては初めてのマスターズを迎えている松山英樹は、そんな興奮混じりのミケルソンとは180度ぐらい対照的な態度を見せているから面白い。