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石川遼、6度目の正直で8位入賞!
ミラクルショットの陰に「四方の攻め」。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2014/03/24 11:25
パーマー招待でも、プエルトリコオープン、バルスパー選手権に続き予選を突破すると最終日も71でまとめ今季3度目のトップ10入りを果たした石川遼。昨季あれほど苦労したシード獲得はもはや手中だ。
「今年1年フルに戦って、マスターズの招待状を」
まだ手にしていない今年のマスターズの出場権を獲得するためには、今週のパーマー招待からの3試合で優勝するか、今週と来週でどちらもトップ3以内に食い込んで世界ランク50位以内に食い込む以外に道はなかった。開幕前の石川は「アメリカでマスターズを目指すのは初めて。まだまだゴールは遠い」と高いところを見据えながら、同時にこうも思っていた。
「今週も来週もトップ3ぐらいは、ありえなくもないけど、それよりも、今年1年間をフルで戦って、世界ランク50位以内に入って、年明けに(2015年の)マスターズの招待状が届くというのが理想です」
長い目、広い視野で考えることができるようになった。ゆったりとしたその姿勢が、彼のメンタル面を前向きに保ち、そのメンタル面が彼の持てる技術をうまく引き出している。
今週トップ3を逃したことで、“世界ランク50位以内”によるマスターズ出場の道は閉ざされた。オーガスタの切符を掴み取るためには、あと2試合で優勝するしか道はなく、状況は厳しくなるばかり。だがそれはそれとして、石川の笑顔はとても爽やかだ。
「自分のゴルフ人生の中で、今が一番充実している。技術的にも、精神的にも成長できている。今日は風が強くてグリーンも固くなっていて、4日間で一番難しいコンディションだったけど、ベイヒルの良さが出ていて、今日が一番楽しかった」
この爽やかな笑顔、素直な心が、これからの石川をさらに成長させてくれるに違いない。