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リプニツカヤ、コストナーらが参戦!
世界選手権、日本女子のライバルは?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2014/03/19 10:40
ソチ五輪でフィギュア界のスターに躍り出たロシアの15歳リプニツカヤ。メダルを逃したシングルでは悔しさをあらわにしていただけに、世界選手権へ向けて期すものがあるに違いない。
3月26日からさいたまスーパーアリーナで開催される世界選手権。日本女子は、ソチ五輪に出場した浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の3人がそのまま出場する。
ソチで忘れられないフリープログラムを見せてくれた浅田にとっては、3度目のタイトルがかかる大会となる。そして鈴木は2012年以来、2度目のメダル獲得ができるかどうかが注目。一昨年は5位、昨年4位だった村上にとっては、今シーズンはぜひとも表彰台に到達したいだろう。
欲を言えば日本勢3人で表彰台を独占したいところだが、ここでは彼女たちのメインライバルになる海外選手たちにスポットを当ててみた。
最大のライバルは、逆襲を期すリプニツカヤ。
日本勢にとっての海外ライバル勢の筆頭は、ロシアのユリア・リプニツカヤになるだろう。
リプニツカヤは団体競技でショート、フリーともにトップの成績を収めてロシアの金メダル獲得に貢献し、一躍個人戦でも金メダリスト候補に挙げられた。
だがその注目度の高さに、本人も動揺。個人戦ではいくつかジャンプミスが出て、総合5位に終わった。
「予定を変更していったん戻ったモスクワでも、ジャーナリストに追い掛け回された」と、リプニツカヤのコーチは、ロシアメディアの過熱報道を公に非難した。
注目されることによるプレッシャーというのは、どのチャンピオンも乗り越えてきた道のりではある。だが15歳のリプニツカヤにとって、ロッカールームが盗聴されるなどという明らかな行き過ぎを含む取材攻勢は、精神を乱されるのに十分な事柄だったに違いない。
そして個人戦で、国内のライバルだったアデリナ・ソトニコワが優勝したことは、おそらくリプニツカヤにとって、大変な悔しさとして心に刻み込まれたはずだ。
ソトニコワは「団体競技に出してもらえなかった悔しさ」を糧に、個人戦では素晴らしい演技を見せて金メダルを射止めた。今度はリプニツカヤが逆襲する番である。怖いほどの身体能力を持つリプニツカヤが、五輪の体験からどんなことを学んだのか。それを証明する世界選手権の舞台になることだろう。