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板、ウェア……冬季は道具が勝負!
頂点を狙える武器を手に入れた日本。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2014/02/07 10:50
スキーなら板やウェア、スケートならエッジなど、冬季競技は道具が勝負の大きなポイントになるものが多い。
オリンピックが始まる前に、必ずと言っていいほど、
「日本は金メダルを何個取れますか?」
と聞かれるのだが、これが苦手だ。
当たりっこないからだ。
それでもある程度は予想しなくてはならず、仕方なく私は「悲観的に予想する」の性質(たち)だから、いつも低めに見積もる。
北京オリンピックの時など、それでもって新聞のコラムに名指しで槍玉にあげられたこともあった。「少なすぎる」。あら、そうですかという感じだったが……。
しかし、今度のソチ・オリンピックでは、関係者の話を聞くと少しばかり予想を上方修正しても良さそうだ――そう思うようになった。
ノルディックが活躍しそうな気配なのだ。
ノルディックが久しぶりにメダル候補へ帰ってきた!
もともと金メダルに手が届きそうだったのは、
・フィギュアスケート シングル男女
・女子ジャンプ 高梨沙羅
の2つの競技というのは、衆目が一致するところ。
これに、スピードスケート(男子短距離陣に女子パシュート)、そしてエクストリーム系では、平野歩夢がメダルに絡んでくると予想していた。
そこへさらに、ノルディック競技が加わってきそうな勢いなのだ。
特にジャンプは、今シーズンに入ってから高梨に限らず、男子では41歳の葛西紀明の好調ぶりが伝えられ、伊東大貴らも上位に食い込む活躍を見せている。
また、ノルディック複合の渡部暁斗も好調で、メダル圏内にいると見ていい。
1990年代以来、もっともメダルに近い状態だろうが、関係者はその背景にあるものをこう説明してくれた。
「オリンピック・シーズンに、ようやく道具が間に合ったという感じです」