セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
昇格組・ベローナがまさかのEL圏内?
36歳のエースと熱血監督の快進撃。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2014/02/05 10:50
上位チームとも互角の戦いを見せるマンドルリーニ監督。
「まだまだ物足らん。サプライズを起こす気概を忘れるな」
12年前の失敗はくり返さない。
今季、躍進のチームを作り上げたソリアーノSD(スポーツ・ディレクター)は、若手フロントの間でナンバー1との呼び声も高い。前半戦の主役の1人、MFジョルジーニョを冬の市場でナポリに引き抜かれたが、代わりにローマからMFマルキーニョを補強した。
何より、もともと後半戦からの戦力と計算していた20歳の新人FWイトゥルベが、すでに前半戦だけで5ゴールを奪っている。初ゴールとなった6節リボルノ戦でのFKは、“メッシ2世”の異名通り、鮮烈な一撃だった。
「監督が言い続けてくれたように、後半から本当の戦力になれればいいと思ってる。セリエAはFWにとって難しいリーグだけど、頼りになるチームメイトがいるしね」
中央のトーニや左のFWゴメスと組む3トップは、後半戦も台風の目だ。
残留の目安は、毎年勝ち点40前後とされる。残り16試合であと5点なのだから、さすがにもう確実といってもよさそうなものなのだが「まだまだ物足らん。サプライズを起こす気概を忘れるな」とけしかける指揮官が率いるベローナが慢心することはないだろう。
何せ11年ぶりのベローナ・ダービーの2戦目がまだ残っている。昨年11月の対戦で、青息吐息だったキエーボ相手にまさかの苦杯をなめた。本拠地「ベンテゴーディ」で借りを返さないことには、マンドルリーニの目覚めは悪いままなのだ。