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計量トラブル続出は、
王者乱立の弊害か。
~ボクシング世界戦の価値下落~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byBOXING BEAT
posted2014/02/02 08:10
計量直後に顔面蒼白の宮崎。井岡一翔は「こういう姿を見せるアイツに腹が立つ」とバッサリ。
試合前日午後に行なわれるプロボクシングの公式計量。選手は決まった時間に契約通りの体重を作らなければならない。うまくいって当たり前だが、そこは生身の人間のやることゆえ、時にミスもトラブルも起こる。12月にはこの計量トラブル、不祥事が相次いだ。
大晦日、大阪。井岡一翔の同僚で前WBA世界ミニマム級王者・宮崎亮が、ノンタイトル戦で楽な相手とみられたタイ選手にまさかの3回KO負け。これは減量失敗による自滅だった。
宮崎は減量苦からミニマム級の世界タイトルを放棄したばかり。この日の無冠戦は1階級上げてライトフライ級の48.9kg契約だったが、宮崎は自力で計量台に乗れないほど消耗していた。「あんなショッキングな計量シーンは初めて」と、記者も呆れていたほどだ。計量はパスしたものの本番では体力が持たずに初黒星を喫し、無理に試合をさせない方がよかったとの声がもっぱらである。