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快速牝馬ベルカントをパートナーに、
武豊、朝日杯でGI全制覇なるか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2013/12/14 08:01
ベルカントの調教師角田晃一はのちにブエナビスタの母となるビワハイジに騎乗してダービーに出走した経験がある。
最優秀2歳牡馬、2歳牝馬の行方は?
タラレバの話だが、もしベルカントが勝ったら、JRA賞の最優秀2歳牝馬の行方はどうなるのだろう。例年なら、阪神ジュベナイルの勝ち馬が受賞馬となるのだが、1980年のテンモン以来33年ぶりの牝馬による朝日杯優勝となれば、その「競馬史的価値」は高く評価されるべきだ。
と同時に、このレースの勝ち馬がそのまま受賞していた最優秀2歳牡馬の行方が、それ以上に難しくなる。ラジオNIKKEI杯2歳ステークスの結果を見ないと判断できなくなりそうだ。
もうひとつの見どころは、プレイアンドリアル(牡、父デュランダル、川崎・河津裕昭厩舎)が、地方馬初のJRA芝GI制覇を達成するかどうか、だ。
地方馬プレイアンドリアルにも大きな記録がかかる。
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陣営は、かつて中央のクラシックで活躍し、2006年のシンガポール航空国際カップで地方馬初の海外GI制覇をやってのけたコスモバルク以上の器、とコメントしている。本当にバルク以上なら、あっさり勝っても不思議ではない。
引いたのは7枠13番。このコースはゲートからすぐ最初のコーナーがあるため、外枠が不利だ。逃げたり最後方から行く極端な脚質の馬なら外枠でもあまり影響はないが、この馬のように好位や中団につける馬は、馬群の外を回らされ、距離を損してしまう。もう少し内の枠がほしかっただろうが、こうしたハンデを克服しながら馬は強くなり、騎手は技量を上げていく。騎乗する柴田大知の手綱さばきに注目したい。
前走のデイリー杯2歳ステークスで1番人気に支持されながら牝馬のホウライアキコの2着に終わったアトム(牡、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)は、2枠3番という好枠を引いた。終い確実にいい脚を使い、崩れにくいタイプだ。