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男子マラソン復権を駅伝が阻む!?
20kmと42.195kmの間に横たわる溝。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2011/01/06 10:30
大会新記録で優勝した早稲田大学。怪我人続出するも、選手層の厚さで勝利した
駅伝の練習では高速化が進むマラソンに対応できない。
また、別の指導者は、練習のあり方をあげる。
「マラソンなら長い距離の走りこみを継続して行なわなければならないのに、駅伝にあわせた練習をする期間が長いのが難しいところです」
さらには、「世界のマラソンは高速化しているのに、20km前後という区間にあわせた練習が中心となるため、スピード強化を図りにくい」との指摘もある。
もちろん、駅伝の人気の高さは陸上界にとって意義もある。あれだけ注目を集めるからこそ、長距離を志向する選手が多いというのは間違いないからだ。
大学の長距離の指導者からは「別に駅伝がマラソンに支障をきたしているとは思わない」という発言も多い。
ただし、日本のマラソンの将来を考えるならば、若い選手たちがマラソンを視野に入れられるような指導や方向付けが、今後もっと重視されるべきではないだろうか。
それが、遠のいた世界のマラソンに追いつく第一歩になるのではないか。