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FIFA最優秀選手賞とバロンドール。
~合体後初の栄えある受賞者を占う~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2010/09/26 08:00
昨年、“最後”のバロンドール(フランス語で「黄金の球」という意味)受賞者となったメッシ
CLもW杯も、メッシには微笑まなかった……。
逆にいうと、メッシは両方のタイトルに無縁だった。
CLではバルサがインテルに準決勝で敗れ、W杯ではアルゼンチンが準々決勝でドイツに惨敗したからだ。個人技のスペクタクル性だけでは、票の伸びにも限界があるのではないだろうか。
W杯でゴールデン・ボールを受賞したフォルランも、そういう意味ではインパクトに欠けるだろう。リーガでの成績を見ると、彼が挙げた'09‐'10年シーズンの得点は、'08‐'09年シーズンの得点に比べて半分近くに減っている。所属するアトレティコも、獲得したタイトルがやや軽い。
では、W杯を制したスペインの主力選手はどうだろうか。
スペイン優勝もバルセロナも黄金の中盤あってこそ。
ダビド・ビジャ、イニエスタ、シャビ。なかでも私の本命はシャビだ。観客を喜ばせるあのポゼッション・サッカーを機能させたのは、バルサでもスペイン代表でも中盤の原動力となったシャビにほかならない。ひるがえっていえば、メッシがW杯で不発に終わったのも、アルゼンチンにシャビがいなかったからだ。一方、故障の多かったイニエスタや、周囲のお膳立てに恵まれた感のあるダビド・ビジャは、受賞にはやや遠い。
というわけで、FIFAバロンドールは2010年年末に発表され、11年1月に授賞式が開催される。投票総数は624。FIFAに加盟している208の国と地域から、代表監督並びに主将、さらにジャーナリスト各1名が投票に加わることになっている。