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メンツとゼニでこじれた統一球問題。
新コミッショナーには正義の番人を! 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2013/07/07 08:01

メンツとゼニでこじれた統一球問題。新コミッショナーには正義の番人を!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

今回の問題を、加藤コミッショナーの個人的な資質の問題にしてしまうのはあまりにももったいない。コミッショナーという存在のありかたについて考える機会として活用すべきだろう。

コミッショナーとは秩序とルールの番人であるべきだ。

 いま大きな流れとして、コミッショナーには、球界の将来へのビジョンと責任感を持ち、ビジネス的な手腕を発揮できる人物を求める声は強い。統一球問題の火付け役となった労組・選手会も第三者委員会の立ち上げに際して、NPBにコミッショナー交代を求める要望書を提出。その中で「すぐれたビジネスセンスを持った人物を登用すべき」と求めていた。

 ただ、である。

 こうした不祥事が起こった顛末や、その経過を考えていくと、コミッショナーという役職にまず求められる資質とは、やはりビジネスセンスではなく、公正と正義を託せることではないのかと思うのだ。

 野球はスポーツであり、その根底にはフェアプレーの精神とルール遵守の原則がある。であるならば、コミッショナーとは球界の秩序を守り、決められたルール通りに球界が動くことを見張れる番人でなければならない。

 居座りを決めこむ加藤コミッショナーの退任がいったいいつになるかはわからないが、次の球界のリーダーを決めるときには、まずそこから人選は始まるべきである。

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加藤良三

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