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<日本代表新監督の素顔> 人間ザックがわかる7つのエピソード。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byAFLO

posted2010/09/21 06:00

<日本代表新監督の素顔> 人間ザックがわかる7つのエピソード。<Number Web> photograph by AFLO

4.嗜好 ~実は筋金入りのインテルファン~

 父親アダモが経営するホテルの屋号を「アンブロジアーナ(インテルが戦時中に使っていた名称)」に変えたほど、ザッケローニ家は一家揃って、筋金入りのインテリスタだった。

 ザックにとって苦渋の思い出は、インテルが最終節で優勝を逃した'02年5月5日。当時ラツィオを率いていた彼は、皮肉にも敵将として、全インテリスタを失意のどん底に叩き落したのだ。試合後、「優勝に値したのはインテルだったのに」とうなだれたという。

 ただ、息子のルカはインテリスタではないらしい。

「いろいろなチームを渡り歩く父の仕事の性格上、一つのチームだけを好きになるのはとても難しいことでした。名声を得たウディネーゼかミラン、と言いたいところですが、父が率いたチームはどれも家族にとって大事なチーム。この冬から夏まではユベントスファンでしたが、今はもちろん日本代表サポーターですよ(笑)」

5.言葉 ~過去の名言3選~

「今だから告白するが、守備のときには何度か手を使った。人生には適当にうまく切り抜けることも必要じゃないかね?」
(現役時代の哲学を問われて。憧れの選手は、'60~'70年代にインテルで活躍したDFブルニクだったという)

「夢物語だとは思うが、人々を融和させられる人になりたい」
(どういう人間になりたいかと問われて。ミラン、インテル、ユベントス、トリノ。ライバル関係にある4チームを率いた史上唯一の監督は気配りの人だ)

「私はセリエAの試合を500試合戦ってきたが、ただの一度たりともユニフォームを着て臨んだ試合はない。つまり、サポーターの信頼を、結果のみでつかんできたということだ」
(今年1月末、ユーベ新監督に就任して。選手ではなく、監督としての腕一本でやってきたという自負がにじむ)

6.性格 ~売られたケンカは買う男~

 温厚な性格で知られるザックだが、実は売られたケンカは買う。昨年9月、CLグループリーグでのインテル対バルサ戦を批評した彼に、モウリーニョが噛みついた。

「同じインテルの監督でも、かつてホームでアーセナルに1対5で敗れた者が、私にサッカーを教えようとはお笑い種だ」と公に罵倒。これに対して、「公平な批評も許さないのか。ファシズム全盛だった80年前なら、モウリーニョもさぞ居心地がよかっただろう」と返した。

 権力におもねることをよしとしないザック。その気概は、ミランの絶対権力者ベルルスコーニの下でも鍛えられた。'98-'99シーズンの逆転優勝翌日、オーナーは「私がボバンをトップ下に置けと指示したのだ」と得意満面。だが、指揮官は「彼が言ったのは、ボバンをサイドに置けということだった」と反撃した。周囲による人物評は、「気遣いのできる正直者。仕事については頑固者」だそうだ。

【次ページ】 7.家族 ~息子が語る父ザッケローニ~

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#アルベルト・ザッケローニ

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