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<貴公子の引退に捧ぐ> デイビッド・ベッカム 「時代の寵児が背負った十字架」 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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posted2013/06/24 06:00

<貴公子の引退に捧ぐ> デイビッド・ベッカム 「時代の寵児が背負った十字架」<Number Web> photograph by AFLO

CL制覇は一度だけ、代表では無冠も輝かしいキャリア。

 そして輝かしいキャリア。厳密に言うなら、真のビッグタイトルは'99年のCLのみで、代表ではW杯やユーロでベスト8止まりだった。とはいえユナイテッド、レアル・マドリー、ACミラン、PSGというビッグクラブでCLに出場した選手など、後にも先にもベッカムだけである。アメリカ西海岸の銀河系(ギャラクシー)はスペインにある本家本元の銀河系とは程遠かったけれど、そこでも優勝トロフィーに触れることができた。

 正確無比な右足と無尽蔵のスタミナ、そして数えきれないほどのトロフィー。これらをもたらしたのは膨大な量の練習である。

 少年時代は配管工の父親に見守られながら、赤い悪魔の一員になってからはカントナやファーガソンの下で、ベッカムはひたすらボールを蹴り、ランニングで汗をかき続けた。パーティーに明け暮れているようで、実は自主トレにも余念がなかった。ユナイテッドでアシスタントコーチを務めていたスティーブ・マクラーレンは証言している。

「休暇明けで他の連中がへたばっている中、彼は走り続けていた」

「長い休暇明けのベッカムに、いきなり連続ダッシュをやらせたことがあるんだ。最後はこっちがストップをかけなければならなかったよ。他の連中は皆へたばっているのに、彼は一人で走り続けているんだから」

 不純な動機は一切存在しない。ベッカムを突き動かしていたのは、少しでもサッカーがうまくなりたいという想いだけだった。誰よりも眩いスポットライトを浴びた男は、人一倍地味な練習の虫でもあり続けた。

 これら二つの表情もまた、ベッカムという人物が持つ魅力の一つだった。だがそこに最大の悲劇もある。彼は一部の人々から、常に色眼鏡で見られたからだ。

ピッチでは労を惜しまない一方で、ショービズ界で華やかさを放ったベッカム。
フィーバーの過熱がファーガソン監督との齟齬を生み“あの衝突”が起きた。
それでもなお恩師への思いは変わらない。そんな時代の寵児となった男が、
信頼を置く元チームメートに語った“最後の思い”とは――。
つづきは、雑誌「Number」830号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
さあ、ブラジルだ。~2014W杯出場決定&コンフェデ総力特集~

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デイビッド・ベッカム
マンチェスター・ユナイテッド

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