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錦織圭を戸惑わせた
全仏特有の大ブーイング。
~観戦者の身勝手な「意思表明」~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2013/06/16 08:00
チェンジエンドでベンチに戻ってからも主審に抗議するペア(中央奥)と休憩する錦織(左)。
耳がおかしくなりそうな指笛の響き、何とも不快なブーイングだった。
ブノワ・ペアとの全仏3回戦で、錦織圭はテニス人生初とも言える大ブーイングを浴びた。正確には主審への異議だったが、観客は地元フランス選手に肩入れし、錦織は完全アウェー状態となった。
非はペアにある。プレーの合間にコーチの助言を受けたとして主審はペナルティの失点を宣告。これにペアは猛抗議、観客も後押しした。錦織が構えに入っても騒ぎが静まる気配はない。動作を中断した錦織は苦笑いを浮かべた。「ここまで騒がれるのは初めてだった」と錦織。選手が構えれば静粛を保つのが観戦マナーであり、錦織がプレーを妨害される理由はない。しかし全仏の観客は時々この身勝手な「意思表明」をやるのである。