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時機を逸したモウリーニョの進退決定。
違約金と会長の地位を巡る暗闘とは? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2013/05/30 10:30

時機を逸したモウリーニョの進退決定。違約金と会長の地位を巡る暗闘とは?<Number Web> photograph by Getty Images

就任初年度に国王杯、2年目はリーガとタイトルを獲得しながら、今季は無冠に終わったモウリーニョ。新天地は古巣チェルシーが有力と言われているが……。

果たしてペレスは会長選で再選されるのか?

 おまけに彼はクラブのイメージを著しく傷つけた。

 レフェリーどころかFIFAにまで噛み付き、バルサ戦でアシスタントコーチだった頃のビラノバに暴行を働き、選手と派手に仲違いした挙げ句、先の国王杯決勝戦後は王直々のメダル授与式をボイコットした。

 翌日、練習場に赴いたペレスはファンから罵声を浴び、誇りを傷つけられた。そして遂にモウリーニョ解任を決めた。

 皮肉なことに、これを知って最初にほくそ笑んだのは当のモウリーニョかもしれない。今季終了後のマドリー退団を考えていた彼は首になる必要があったからだ。自ら辞めるとなると契約書にある違約金約26億円を次のクラブに払ってもらわねばならない。だが解任であればそのお金は何らかの形で自分の懐に転がり込む。少なくともチェルシーはそう約束している。

 一方で、モウリーニョと彼の3年間に投資した額の一部を回収することにも失敗したペレスは、6月16日に行なわれる会長選挙に向け、ソシオの人気を取り戻すニュースを発信しようとしているが苦戦している。クリスティアーノ・ロナウドとの契約延長交渉は進展せず、ネイマール獲得も、不可能と知りながら挑み続けたが、やはりダメだった。

 いまのところ他に立候補者はいないので、会長の座に留まることはできそうだが、来シーズンはこれまで以上に厳しい目が自分に向けられることを覚悟しなければならないだろう。

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