欧州サムライ戦記BACK NUMBER
シャルケ・内田篤人がCL出場権獲得。
怪我多き1年の終わりに見せた安堵。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/05/20 12:25
試合後、シャルケサポーターのもとへと挨拶に訪れた内田篤人。今季は怪我に苦しみながらも昨季を上回る24試合に出場した。
試合後、内田が送った監督とファンへのメッセージ。
そして、内田はこの1年をこう振り返る。
「怪我が多かったけどね、とりあえず終わって良かったわ。上手くいかないときもあったけど、持ち直して、結局、最後は(CLプレーオフ出場権の得られる順位に)きたし。怪我も何回もやったけど、治して、いまはだいぶ良くなったかな」
試合終了のホイッスルが鳴り、ピッチの上で選手たちがお互いの健闘をねぎらって少ししてからのこと。シャルケの一同は、アウェイまではるばる駆けつけてくれたファンに挨拶することにした。選手たちがファンのもとに進んでいく。それを見たケラー監督は、コーチ陣なども誘い、少し遅れてファンのもとへ歩み寄った。
選手たちの輪から外れて戻ってきたのが内田だった。ケラー監督のもとへ近寄ると、自らの右手でケラーの左手をつかみ、ゴール裏スタンドへと連れて行く。ケラーは、昨年末、暫定監督としてトップチームを率いることになり、その後、チームの成績を引き上げた功績が認められ、来季以降もシャルケの指揮をとることになっている。
「あぁ、あれはね、やっぱり俺らの監督だから、『とりあえず前へ行こう』ってこと。今シーズンだけじゃなくて、来シーズンもチームにいるんだからさ!」
内田はシャルケの“先輩”として、監督をファンの前で守り立てることを忘れなかった。それは来シーズンも共に戦おうというメッセージだった。