セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
ミランとCL権を争うフィオレンティーナ。
モンテッラ監督の改革は成就するか?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2013/04/27 08:01
「(勝ち点差1の4位でミランを追いかける)今の順位はシーズン終盤戦で非常に好都合。これからの試合はこの上なく重要なので、必ず勝利したい」と語っているモンテッラ。
CL出場を絶対条件とするミランには強いプレッシャーが。
一時は2位を狙う勢いだったミランも、FWバロテッリが出場停止だったナポリ戦とユベントス戦で勝ち点1止まり。アッレグリ監督は「彼らとの直接対決で3位を確実にするチャンスをふいにしてしまった。彼らを怖れているわけではないが、うちにとってCLプレーオフ出場は絶対だ」と吐露し、プレッシャーからくるぎこちなさが表面化してきた。
「ミランとは最後の最後までデッドヒートになるだろうな」
CL出場権争いは、38歳のモンテッラが指導者として挑む最初の大きな難関だ。
だが、ストラマッチョーニ(インテル)ら同世代に多い熱血漢タイプとはちがい、彼は泰然自若としている。
「この世界の第一線で20年やってきた」という指揮官の自負と、緊迫した試合中にも「ディナーを賭けるかい?」と言える精神力が、フィオレンティーナに安心と勇気をもたらす。
最終節までの5本勝負は行き詰る神経戦だ。達観のモンテッラ、その采配ぶりに注目してみたい。