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重さたった195g! 世界最軽量ゴアテックス・ジャケットが春~初夏のフィールドを制す!
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byNanae Suzuki
posted2013/04/26 10:30
そろそろ野山の風も、小川の水も温んで来て、本格的なアウトドアシーズンの始まり。が、寒くもなく暑くもないこの季節は、ウェアの選択が難しいのだ。
そこで2人は、最新のアウトドア・アウター論を展開する。
奥山 さ~て、都会の空気もずいぶんと暖かくなって、気持ちいい季節になりましたね。
高 うん、都心や近郊も桜は完全に散っちゃったね。先週末、立川の昭和記念公園に行ったら、チューリップが見頃だったな……っていうような、花を愛でて季節の移り変わりを感じるなんてこと、奥山は絶対しないよね?
奥山 う~む、ここ最近は忙しいので、わざわざ遠くまで花を見に行くことは出来ませんが、住宅街を歩いていて「あ~、もうハナミズキの季節か」なんて気づくことはありますけどね。
高 これからはアウトドアスポーツ&レジャーに最適だね。
奥山 そんな季節の変わり目に、イマドキのアウトドア事情を見て、ナンか気づきません?
高 ほっ? というと?
奥山 一時の大ブームが沈静化している感じがしませんか?
高 え~!? 先週末も昭和記念公園や高尾山界隈を自転車で走ったけど、相変わらず峠をサイクリストが盛んに走ってたし、高尾山口駅は老若男女の登山者で溢れていたし、川沿いの遊歩道なんてランナーで渋滞ぎみだったぜ。
奥山 いや、「ブームの沈静化」という言い方はおかしいかな。なんつうのかな、決してアウトドアスポーツが廃れているんじゃなく、落ち着きを取り戻したというか……。
高 ふむふむ、言われてみればそうかもね。俺が参加している自転車のSNSも、一時より書き込みの更新が少なくなっているんだ。だからと言って自転車が廃れているというワケじゃなく、みんな真摯な態度で自転車を楽しんでいるんだと思う。SNSが活性化していない感じがするのは、浮わついた書き込みが減っているだけなんだね。
奥山 そうそう、それが言いたかったんです。登山やトレッキングのシーンを観察すると、以前はお洒落なアウトドアウェアを着るのが楽しいって感じの人達が多かったんですが、最近はみんなちゃんと着こなしているんですよ。
高 そうだね、以前は、まるでセレクトショップのマネキンみたいなピカピカきらきらのファッションコーディネートや、明らかにオーバースペックの装備を纏った人が多かったけど、先週末は機能を見極めた格好をしているのが目立ったな。
ウェア選びが難しい季節には“軽量ゴア”が有効。
高 寒くもなく暑くもない今頃って、実はアウトドアではウェア選びが難しいんだよ。なぜなら、都会では過ごしやすい気温でも、郊外に行くに連れて涼しくなっていくからね。ましてや標高が高い山頂では、もっと気温が下がるから。
奥山 急激な天候の変化もありますし、登りと下りでは体温も違いますからね。そういう状況の変化をまるで考えていないコーディネートはトラブルの元!
高 逆に考え過ぎると、ギアが多過ぎたり、オーバースペックになっちゃうんだよ。特に、アウター選びが難しいんだけど、先週見た限りでは、みんな季節に合わせた適切なウェアをセレクトしていたみたい。
奥山 この時期のアウター選びの基準を教えてくださいよ。
高 極寒の冬を過ぎたので、なるべく薄手がいいね。ただし、薄いといったって、今も言ったとおり気温や天候の変化を考えれば、ある程度の風や雨を防ぐ機能は欲しい。
奥山 ハードワークで汗をかくことを考慮すると、透湿性も優れていた方がいいですね。
高・奥山 すなわち、ゴアテックス!
高 ただね~、ゴアテックス素材って、意外とかさばるんだよね。この時期、風もなく日差しが強いときは、いっそのことアウターを脱いじゃいたいくらいなんだけど……。
奥山 脱いだゴアのアウターが邪魔になると! ふふん、んじゃあ、この『ホグロフス』のジャケットなんて、ばっちりなんじゃないッスか?