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ロシアU-18代表デビューを果たした、
日本人高校生・篠塚一平の成長曲線。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byShinya Kizaki
posted2013/04/05 10:30
スパルタク・モスクワのリザーブチームに所属し、ロシアU-18代表デビューも果たした篠塚一平(右)。隣はスパルタクでも代表でもチームメイトのデニス・ダビドフ。
23歳で迎える2018年ロシアW杯では日本代表を狙う!
「まあ、相手も弱かったですし、これくらいの結果は出さないと。それに2日前にもリザーブの練習試合があって、主力がいなかったから自分が出られたというのもある。U-18と違って、リザーブは19~23歳の選手がメイン。ここからが本当の勝負です」
リザーブとはいえ、資金力豊かなモスクワのクラブの場合、待遇が良く、年俸が手取りで4000万円の選手もいる。それだけに地方のユースからタレントたちが集まり、非常に競争が激しい。前述のダビドフもU-18ではスターだが、リザーブではレギュラーではない。
篠塚はそういう競争を勝ち抜いて行くつもりだ。
「監督やコーチから、『体を強くして、大人のサッカーに慣れろ』と言われています。今はたくさん食べて、筋力トレーニングをして、筋肉をつけることに取り組んでいる。毎試合結果を出して、リザーブでポジションを勝ち取りたい」
2018年W杯はロシアで開催されることが決まっている。そのとき篠塚は23歳。十分にA代表を狙える年齢だ。もちろん目指すは、日本代表である。
母親の篠塚エレーナは言う。
「一平は自分のことを日本人と思っています。私も一平に日本代表になってほしい。まずはリザーブで中心選手になることを応援しています」
3月に18歳になったばかりの若者は、着実に前に進み続けている。