リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
「残留」から「CL&EL」へ目標修正!
若き“古豪”レアル・ソシエダの猛進。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2013/04/04 10:30
好調ソシエダのキーマンであるMFパルドはまだ20歳。U-17からスペインの各世代別代表に選ばれている将来有望な司令塔だ。
パルド、マルティネスらスペインU-21代表トリオの活躍。
昨季から続く活躍で「移籍は時間の問題」とされているCBイニゴ・マルティネスと、ボールコントロールが巧みなフランス人FWアントワン・グリエスマンは'91年生まれ。戦術理解に優れるMFアシエル・イジャラメンディは'90年生まれ。そして前述のパルドは'92年生まれ。
グリエスマン以外の3人はスペインのU-21代表でもあり、マルティネスあたりは近いうちにA代表に呼ばれるかもしれない。
さらにもうひとつ快進撃のカギを挙げるなら、先制されても動じない心の強さだ。
たとえば先日のエスパニョール戦でも2度リードされ2度追いついているし(2点目はオウンゴール)、今季無敗のバルサに初めて土を付けた一戦も0-2からの逆転だった。敗れたマドリー戦では4-2になっても諦めず、ゴールを目指して3点目を奪った。
「トップチームに入って7年、こんな好調も、こんな状況も初めて」
長い波に乗り、2月17日の第24節レバンテ戦で遂に6位に上がったレアル・ソシエダの選手たちは、昨年同様1部残留だった当初の目標を上方修正したようだ。
「トップチームに入って7年、こんな好調も、こんな状況も初めて。ここまで来るのは本当に大変だったから、いまを楽しみたい。狙うはヨーロッパ(CL&EL)だよ」
こう語るのはマルティネスとコンビを組むCBミケル・ゴンサレスである。
29節を終えて現在、レアル・ソシエダは4位。
まだこの先、直接順位を争うマラガ(現在5位)、ラージョ、バレンシア、ヘタフェや、上位のマドリーとの対戦が控えているので楽観はできないが、国王杯ファイナリストのマドリーとアトレティコがCLに出場することになれば、EL出場権は7位にまで与えられる。また、レアル・ソシエダには「連続する19試合で負けは1度のみ」を記録した3シーズン('79-'80、'97-'98、'02-'03)全て3位以内に入ったという過去もある。
二極体制下のリーガで台頭する若き“古豪”のヨーロッパ行き、果たして成るのか。