WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
侍ジャパン投手陣が苦悩するマウンド。
早めの継投で、3連覇をもぎ取れ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/03/16 06:00
2次ラウンドでの台湾戦。アメリカのグラウンドキーパーを招いて作ったいつもより硬いマウンドを、試合前から気にしていた能見。
違和感が残るマウンド対策は、早目の継投でしのぐ!?
「僕はあまり気にはならなかったけど、今までの日本のメジャー仕様のマウンドとは微妙に違う感覚だった」
こう語ったのは2番手でマウンドに上がった山口鉄也だった。
この微妙な違いもピッチングの感覚や肉体への負担と、本番では勝負を左右する要素になる。台湾戦では立ち上がりは期待通りの軽快なピッチングを見せた能見が、足のアクシデントから突如として制球を乱して失点してしまったようなケースも十分にあり得るということなのである。
14日のジャイアンツ戦は先発の田中将大から能見を含めた8人の投手が登板。(原稿執筆時の日本時間15日夕現在では)15日のシカゴ・カブス戦には先発の内海哲也から、残りの5投手がマウンドに上がる予定となっている(準決勝に先発予定の前田健太投手はブルペン調整か実戦登板かは未定)。そうしてAT&Tパーク仕様のマウンドの感触を、少しでも試しておくのも目的の一つになる。
「実際にはサンフランシスコのマウンドがここと全く一緒かというと、それも定かではないですから」
ただ、与田コーチはこう慎重なコメントを残している。
「実際にマウンドに上がったら簡単に対応できる投手と、対応に苦労する投手は出てくる。それをベンチが早めに見て交代のタイミングを考えるしか、対応のしようはないかもしれませんね」
残りは2試合。幸いにも準決勝を勝てば決勝までは中1日空くため、球数50球以内であれば準決勝で登板した投手も、再び決勝で投げることができるのも小刻みな継投には有利といえよう。
マウンド対策も含めた早め早めの継投が、3連覇へのカギとなりそうである。