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選手の気分は「WBC≒オープン戦」!?
米国はいつになれば本気を出すのか。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byMLB Photos via Getty Images

posted2013/03/08 10:45

選手の気分は「WBC≒オープン戦」!?米国はいつになれば本気を出すのか。<Number Web> photograph by MLB Photos via Getty Images

3月6日に行なわれたコロラド・ロッキーズとの練習試合前の“Team USA”。野球宗主国としての意地を、3度目の正直で見せてくれるのか?

 WBC初制覇を“本気”で狙いにいくと報じられてきた開催国のアメリカ代表が3月5日、ホワイトソックスとの練習試合を行い、そのベールを脱いだ。

 結果は4対4の引き分けに終わったが、その内容は惨憺たるものだった。投手陣は13安打4失点を喫し、打撃陣も先発選手が揃っていた6回までで4安打2得点という貧打ぶりだった(引分けとはいえ、WBC側のチーム補充要員として準備していたホワイトソックスのマイナー選手が6回から次々と代表メンバーと交代で出場しており、8回の同点場面も彼らの活躍だった)。

 それ以上に印象的だったのが守備の連係ミスだった。

 5回途中で一、二塁間の挟殺プレーが起こったのだが、結局一塁のカバーに投手が入らず、みすみすセーフにしてしまったのだ。前日の3月4日に集まって初練習を行なった後の練習試合。連係プレーの練習をする余裕などあるはずないのだから、チームとしての熟成を求めるのは酷だと言わざるを得ないが、明らかに試合内容はオープン戦に近いものだった。これが3月8日に1次ラウンド第1戦を控えているチームなのかと寂しさすら覚えた。

アメリカの目標は「決勝ラウンドへ行くこと」と控えめ。

「皆一所懸命プレーした。守備面ではいいプレーもあり、二遊間は素晴らしいダブルプレーを決めたし、ゾブリスト(レイズ)も複数のポジションをそつなくこなしてくれた。

 今日はあくまで選手にとってスプリングトレーニングでの練習試合に過ぎない。チームのムードは非常にいいし、短期間ながらチームとしてのまとまりも申し分ない。我々の目標は(決勝ラウンドが行なわれる)サンフランシスコに行くことだ。選手たちの能力とモチベーションの高さを考慮すれば、いい位置にいると思っている」

 今大会のアメリカ代表を率いるジョー・トーリ監督は、あくまで前向きな発言に終始した。

 今回の選手選考において、トーリ監督は候補選手たちとすべて電話やテキストの交換を行ない、選手たちの気持ちを確かめたという。1月17日に候補選手が発表された際はスター選手たちが予想以上に少なく、米国メディアからも落胆の声が上がったが、トーリ監督なりにチームとして戦える選手を集めた。その最たる例が、内野から外野までできるいわゆるユーティリティ役のベン・ゾブリスト、ウィリー・ブルームクイスト(Dバックス)両選手の招集で、選手起用に多様性がうまれ選手層が厚みを増しているのは確かだ。

【次ページ】 初練習の4日後に本番を迎えるという明らかな準備不足。

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