オリンピックへの道BACK NUMBER
2012年ロンドン五輪に向けて再始動。
不屈の柔道家・野村忠宏の挑戦。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2010/07/06 10:30
北京五輪代表選考会を兼ねた2008年4月の全日本選抜体重別選手権男子60キロ級の準決勝で浅野大輔に敗れた野村忠宏。悔いを拭い去るため、再起をかけた挑戦が始まる
ロンドン五輪への試金石となる今回のワールドカップ。
「もう無理ではないか」。そんな声が関係者から出ることもある。それでもなお現役にこだわるのは、世界のトップに居続けたおのれへの自負、それを打ち消すかのような北京五輪選考会敗北の悔いを拭い去りたいという思いだ。
そのために必要なのは、もう一度オリンピックの舞台に立ち、世界一になることしかない。
今年3月には、「2012年のロンドン五輪が最終目標です」と語っているが、ポイントによるランキング制が導入されている今日、その目標から逆算すると、モンゴルでの大会は試金石のひとつとなる。
可能性を信じ、敬服せずにはいられないほど強固なその意志。屈指の柔道家の挑戦は、止まらない。