WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
山本監督が優先したもの捨てたもの。
WBC先発予想オーダーはこうなる!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/02/21 11:45
選手選考の最後の判断材料となった紅白戦でのひとコマ。左から、澤村、杉内、攝津、森福ら、代表メンバーの投手たちが揃って笑顔を見せていた。
「投手……涌井、能見……」
2月20日午後6時過ぎから行われた会見でWBC日本代表・山本浩二監督が、最終代表28人の名前を投手、捕手、内野手、外野手の順番で読み上げた。
合宿に参加していた33人から、名前を呼ばれなかった選手は5人。投手では山井大介、浅尾拓也と中日の2投手が落選。内野手は巨人の村田修一、外野手からは中日の大島洋平、楽天の聖澤諒と昨年の両リーグ盗塁王が篩(ふるい)にかけられた。
「毎日のようにスタッフミーティングをしまして、色んなことを想定して今日の今日までという感じで悩んだ」
発表を終えた山本監督は、苦しい胸の内をこう説明したが、落選したメンバーを見るとコンディショニングと打力を優先した布陣といえるようである。
投手で落選した2人に関しては、選考前から予想されたメンバーだった。
浅尾は合宿前から右肩の違和感を訴えており代表入りも微妙と見られていた。19日には東尾修、与田剛両投手コーチと話し合った上で、20日の紅白戦登板回避を決め、その時点で落選が確定した。
また山井に関しても17日の広島との強化試合で2回を4安打2失点と振るわず、“追試”となった紅白戦でも結果を残せなかった。最後まで滑るメジャー球に適応できずに、制球が安定しなかったのが一番の理由と言えるだろう。
大島、聖澤というセパの盗塁王が落選した衝撃。
一方の野手陣は予想外だったのが、大島、聖澤の両盗塁王の落選だ。
この2人には終盤で1点を争う場面での代走や守備固めという役割が期待されるため、少なくともどちらか1人は確実にメンバー入りするのではと見られていた。
合宿前に左ひじを痛めるなどコンディションに不安のあった大島も、その後ひじの状態は回復。聖澤は紅白戦で2安打するなど猛アピールを繰り広げたが、最終的に残ることはできなかった。
「(野手が)12人しかおらず、頻繁に選手を入れ替えられない。試合の後半になってからの戦いを想定して守り、足……色んなことを議論した。点を取れないことも考慮した」
山本監督の説明だ。