野ボール横丁BACK NUMBER
張本勲の「喝!」に違和感が……。
岩隈久志、異色の“エース論”とは?
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2010/07/01 10:30
昔は投手生命を犠牲にしても投げ続けたものだが……。
ただその一方で張本の気持ちもわかる。昔の感覚からすれば、岩隈のようなスタンスを飲み込むことは容易ではない。その頃のエースは必要とあらば、それこそ投手生命を犠牲にしてでも投げ続けたものなのだ。
でも、実際のところはどうなのだろう。
そんな世代ギャップは百も承知で張本は、球界の大先輩として、あえて苦言を呈したような気がしないでもない。「ご意見番」というキャラクターに徹する意味でも。
岩隈はやるときはやる男である。それも見ている者の心を震わせるほどに。
ただ、確かに、前言と矛盾するようだが、その「やるとき」の回数をもうちょっと増やしてもいいのではと思うことがあるといえばある選手なのだ。
だが、そうなったらなったで、やるときの爆発力が半減してしまうかもしれない。
そのあたりが、なかなかに悩ましい……。