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斎藤佑樹は“荒木二世”なのか……。
プロ3年目に問われる復活の選択肢。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/02/05 10:30

斎藤佑樹は“荒木二世”なのか……。プロ3年目に問われる復活の選択肢。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

大谷らと一緒に2軍でキャンプスタートとなった斎藤。「手術はしない」という判断が、果たして吉と出るか?

 春季キャンプがスタートした2月1日。沖縄・国頭村の日本ハム2軍練習場には「見慣れた光景」があった。

 100人の報道陣と300人のファンが、このキャンプの主役であるゴールデンルーキーの大谷翔平をマークする。

 サブグラウンドで投手陣のウォーミングアップが終ると、今度はメイングラウンドに向かい野手組と走塁練習を行う。再び投手陣に合流しキャッチボール、そしてまた野手組に混ざってノックを受ける……。投手と野手の「二刀流」に挑戦するとあって、大谷はキャンプ初日からハードな練習に取り組む。

 大谷の一挙手一投足を逃すまいと、多くのギャラリーがひとりの選手に視線を傾ける……。2年前にも同じようなことがあった。

2年前、注目を浴びていた斎藤佑樹の今。

 そのときの主役だった斎藤佑樹は、大谷と共に2軍で、ひっそりとキャンプをスタートさせた。

 原因は右肩痛。関節唇の損傷によりスロー調整を余儀なくされ、本人は否定こそするが症状が悪化すれば手術も考えられるレベルだという。そうなれば、早くてもシーズン後半戦からの復帰となり、最悪の場合は1年間を棒に振る可能性もある。「夏までかかるかもしれない」とまで報道陣にコメントした斎藤だが、故障が長期化する覚悟もすでにできているようにも窺えた。

 プロ3年目にして非常に厳しい現実に直面した斎藤だが、気丈にも報道陣に対しこうも答えていた。

「いい方向を見出したい」

 現時点での結末を言えば、斎藤は「いい方向」を見定められずにいる。ルーキーイヤーの'11年は、左脇腹痛で戦列を離れたためシーズンをフルに戦えず、6勝6敗、防御率2.69と前評判通りの成績を残すことはできなかった。

 その斎藤が、フィジカル強化を図るべく、'11年の年のオフに取り組み始めたのが初動負荷のトレーニングだった。

【次ページ】 イチローや山本昌も行う初動負荷トレーニングとは?

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