Number Do MoreBACK NUMBER
<お笑い芸人は、なぜ体を鍛えるのか?> 団長安田 「自転車好きにだけ通じるギャグができました!」
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byAsami Enomoto
posted2013/02/07 06:01
それでも彼らは今日もトレーニングに励む。
団長はどこに向かうのか。芸人仲間に問われることも多いが、未だに自分でもよく分からない、という。
「自転車の目標はね、目指していた実業団にも入れたし、あとはどんな大会でもいいから、子供を抱いて表彰台に立ちたい。よく海外の大会で見るでしょ? あれ憧れてて。お笑いは……アスリートの痛いお笑いを追求することですかね。
僕のマネージャー、前は森脇健児さんを担当してたんですよ。森脇さんっていつもマラソンのストイックな話しかしないし“この人なんだよ。痛い人だな”ってずっと思ってたんです。だけど自転車とマラソンの違いだけで、森脇さんと同じことを言ってると指摘されまして。僕は“この自転車の練習をすると強くなる”って言うんだけど、マネージャーは“違います。一般の人は速くなる、って言うんです”って。森脇さんも“この坂登ったら、俺、強なるで~”とか言うんですよ(笑)。最初はショックでしたけど、今では嬉しいし、森脇さんになろうと思ってます」
自信をもって自らの体づくりを語る一方で、彼らはどこか自嘲気味でもあった。笑いと体づくりは直結しないのかもしれない。それでも彼らは今日もトレーニングに励む。それが自らの生きる道だと信じて。