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ゴールドマン・サックス・六本木ロケッツ 「仕事が一流ならランニングは超一流? 最強チームに学ぶセルフマネジメント術」
text by
松山梢Kozue Matsuyama
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/12/16 08:00
市場の動く時間帯の合間に、ジムでトレーニング!?
彦坂雄一郎さんは、変動の大きな相場を相手にするクレジット・トレーダー。六本木ロケッツに参加する以前は胃が痛くなるほどのストレスを仕事で抱えていたそう。
「ランを始めてからいちばん大きく変わったのは、ストレス耐性ですね。日々“走る”という精神的に辛いことを自分に課しているので、多少仕事で嫌なことやイライラすることがあっても『こんなものだろう』と受け止められるようになりました」
社内に専用のジムを併設するなど、ゴールドマン・サックスでは社員の健康維持のための環境や制度が整えられ、六本木ロケッツ以外にもクラブ活動が活発に行なわれている。
「毎朝出社すると、まずチェックするのが自分とパートナーを組む上司のスケジュール。そこでお互いにジムに行く時間を『いつにする?』と調整し合うことから1日の仕事が始まります(笑)。比較的取引が落ち着く東京株式市場の引け(15時)から、ロンドンの取引が活発になる17時頃までが狙い目だな、とか。お互いカラダを動かすことが仕事にプラスだというコンセンサスがあるからできることです」(彦坂さん)
「ジム帰りに汗がひかず、デスクで扇風機をブンブンまわしていても文句を言われることはありません(笑)」(秋葉さん)
“タイム・イズ・マネー”の独自ルールや、チャリティ企画も。
ひとりひとりが忙しい時間を縫って活動に参加しているという前提があるからこその、独自ルールもある。
「夕方にランニングをするときなどは、集合時間に3分遅れたら待たずにスタートするという3分ルールも導入しています。“タイム・イズ・マネー”ですからね」(秋葉さん)
さらにもうひとつ、彼らにとって欠かせない活動が社会貢献だ。東日本大震災の直後は、ラン、バイク、スイムなど、全員のトレーニングの距離に比例して募金額を増やす企画を立ち上げ4000kmを走破。社員同士でスポンサーを募るなどし、150万円を集めた。
「東京オフィスに限らず、ニューヨークやロンドンのオフィスでも様々なスポーツのクラブチームがチャリティ活動をしています。社内ニュースで彼らの成績やチャリティの募金額を知ると『我々も負けていられないな』と、いい刺激を受けるんです。僕たちもそれぞれの部署でプロフェッショナルとして仕事をしつつも、今まで通りしっかりタイムマネジメントをして、チームとしてもっとレベルを上げていきたいですね」(秋葉さん)
●児玉美紀(Miki Kodama)
「年齢は秘密」な証券部門の秘書さん。愛用のシューズはニュートン。
◆走る距離と頻度は?
スイムとバイクも含めて週5~6回
◆始めたきっかけ
4年前、トライアスロンに憧れて。
◆ベストタイム
01:52:00(ハーフ)
●彦坂雄一郎(Yuichiro Hikosaka)
学生時代はサッカーをやってた29歳。トレイルからRUNの世界へ入った。
◆走る距離と頻度は?
距離はまちまち/週4~5回
◆始めたきっかけ
入社1年後、時間的余裕ができて。
◆ベストタイム
03:10:00(フル)
●秋葉茅麦(Tsumugi Akiba)
35歳の元ラガーマン。4年前に走り始めると、95kgあった体重が75kgに。
◆走る距離と頻度は?
スイムとバイクも含めて週5~6回
◆始めたきっかけ
「Test Yourself」という言葉に惹かれて。
◆ベストタイム
03:03:00(フル)