フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
青木、尾崎、中嶋、奇跡の3ショット!
AONの会見にベテランの底力を見た。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAFLO
posted2012/10/26 10:30
初日の同組対決は中嶋が73の6位と好発進。青木は79、尾崎は80をマークした。中嶋は予選を突破するも、3日目の最後の5ホールで6つスコアを落とし、「2人がいないと張り合いがない」と笑った。
たくさんのカメラマンの隙間から片山晋呉が携帯電話をかざしていた。「こっち向いてくださーい!」と声をかけると、3人の笑顔とカメラ目線をばっちりゲットした。
「これ待ち受けにしよう!」
撮ったばかりの写真を見ながら、もうすぐ40歳を迎える永久シード選手は子供のように瞳を輝かせていた。
そこに写っていたのは青木功、尾崎将司、中嶋常幸の3人だった。日本オープン開幕前夜のチャンピオンズディナーに先立って行われたAONの記念フォトセッション。片山はそれを喜んで写真に収めていたのである。
今年の日本オープンは本土復帰40周年を記念して沖縄で初開催された。本来は出場権のなかったAONだが、記念となる大会に華やかな彩りを加えるため、主催の日本ゴルフ協会から特別承認を受けて馳せ参じた。
特別承認がなければ出場できなかったわけだから、3人が日本オープンのタイトルを独占していた'85~'92年のような現役バリバリのコンテンダーというわけにはいかない。だが、7年ぶりの同組対決実現は、あらためてAONにスポットライトを当て、彼らの魅力や存在感を照らすことになった。
合計192歳の超ベテランによる爆笑トリオ会見が実現。
合わせて192歳という3人が難コース相手に健闘する姿も見ものだったのだが、ハイライトはなんといっても初日のラウンド後にあった。3人並んでの異例のトリオ会見が実現したからである。
スペシャルな3人によるスペシャルな共演。これが単なる1+1+1ではなく、それぞれの個性がぶつかり合って面白さを引き出す、爆笑の会見となった。
初日は中嶋が73の6位と好発進。青木が79、尾崎が80で一番スコアが悪かった。
会見場の端の席で尾崎は少しそっぽを向いて座っていた。
「元気出そうよ~!」
そんな脳天気な声を挙げたのは、少し遅れて入ってきた青木だった。
天下のジャンボ尾崎にそんなことを言えるのは世界のアオキぐらいのもの。その言葉にプイと横向く尾崎の姿がなんともおかしくて、会見場には笑いが起きた。