SCORE CARDBACK NUMBER
考え抜いて、攻め抜いて。
錦織圭が刻んだ新たな歴史。
~五輪8強の勢いを全米OPにも~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byMannys Photography
posted2012/08/26 08:00
92年ぶりの4強入りはならなかったが、1回戦で敗退した4年前からの成長を見せつけた。
8強入りしたロンドン五輪を振り返り、錦織圭は「なにか少しふっ切れたような。そんな感触がありました」とブログに書いている。
五輪の前に戦い方を見直し、「攻撃的なテニスがやはり自分の持ち味なんじゃないかと再認識」したという。ウィンブルドンでは3回戦に進出し、次の2大会は、いずれもベスト8。まずまずの成績だが、本人はその結果や試合内容に満足していなかったようだ。7月のアトランタ大会では添田豪に2-6、1-6と完敗した。錦織の父親、清志さんは「テニスに元気がない」と感じていたという。
その後は一旦、練習拠点である米国のIMGアカデミーに戻って調整した。「自分のテニスとは何か」と自問自答したのは、この時期だろう。導き出した答えは、ミスを恐れず攻める、というものだった。