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ついにヨハネスブルグへ潜入。
南アW杯のために僕は命をかけてる!? 

text by

竹田聡一郎

竹田聡一郎Soichiro Takeda

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photograph bySoichiro Takeda

posted2010/05/28 06:00

ついにヨハネスブルグへ潜入。南アW杯のために僕は命をかけてる!?<Number Web> photograph by Soichiro Takeda

同じ言葉でも南アと日本の「安全」とは意味が違う!

 結局、僕の被害はトウモロコシだけだったけど、それはあくまで僕が180cm80kg超えの体躯の男性で、あきらかに金を持ってなさそうな風体だったからだろう。

 実際に後日、撮影のために車で同じエリアを再訪しようとすると、

「撮影は車中からのみ。信号待ちの時はやめてくれ」

 と運転手に一方的に約束させられてしまったくらいだ。

 確かに今回は危険な目にこそ遭わなかったけれど、同じルートを手にカメラをぶら下げて歩こうとは、絶対に思わない。

 そもそも南アフリカで話される「安全」とか「危険」の言葉の意味や重みが、日本のそれとはまったく違うのだ。

 我々にとっての「安全」とは、「夜中に携帯電話と財布を手に持ってコンビ二に行っても襲われることは無いよ」という非常に高い安全性のことを言ってるのであって、彼らのそれは「貴重品は極力持たず、夜はあまり出かけず、常に周囲に意識を配っていれば、とりあえず強盗に遭って大怪我することは少ないよ」というレベルの「安全」なのだ。日本で暮らしている我々には、翻訳された同じ単語に対してそんな裏側まで読めるわけもなく、しばしば言葉の意味を履き違え、甘く見て、トラブルに巻き込まれることになるのだ。

 なんだか長々と僕のヨハネスブルグ冒険譚を綴ってしまった。しかし、ヨハネスブルクにW杯観戦で滞在するには、治安の問題は必須だと思ったので、思い切って字数を割いてみた次第です。

 今回はあまりサッカーに関係がない話だったので、次回はサッカーシティ・スタジアム訪問と、徐々に盛り上がりを見せてきた現地のW杯の雰囲気について書いてみたい。

 それにしても……ああ、怖かった。

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