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企画力とライブ感で、
相次ぐ“超満員”現象。
~試される新日本プロレスの底力~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/07/30 06:00
7・1両国大会のフィナーレには特別ゲストとしてスタン・ハンセンが登場。全選手がリングに上がり、ハンセンの掛け声から「ウィーッ!」の大合唱で締めた。
プロレスが連日、真夏日だ。7月1日に東京・両国国技館で開催された新日本・全日本創立40周年記念合同興行には、1万1000人もの観客が詰めかけ超満員。企画力とアイデア次第ではまだまだ潜在集客能力を引き出せることを証明してくれた。アキバ・スクエア(秋葉原)で行なわれた前夜祭「大プロレス祭り」の観客は2000人。これも大変な数字である。試合当日、JR両国駅から国技館までお客さんの行列が途切れない光景を見たのは久し振りのことだった。
地盤沈下といわれて久しいプロレス界だが、とんでもない。熱は冷めてはいない。昨年8月27日、日本武道館で行なわれた新日本・全日本・ノア3団体によるプロレス・オールスター戦「ALL TOGETHER」は1万7000人(超満員札止め)で武道館大会における業界の最高観客数を記録。今年第2弾の大会も2月19日、仙台サンプラザホールで行なわれ、3500人(超満員)の観客を飲み込み、爆発的な人気を呼んだ。興行のベースが東日本大震災復興支援チャリティという特別なものであったにせよ、会場の熱気は凄まじいものがあった。