野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
26万円の超高額チケットが即完売!
千葉ロッテの奇抜なアイデアに学べ。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byChiba Lotte Marines
posted2012/07/25 10:31
QVCマリンフィールド名物の花火。毎週金曜日、交流戦ナイターのほか、夏休み期間中は全試合で打ち上げられる。
多彩なアイデアで勝負しても、観客動員数は減少傾向に。
そして、最も意外だったことは、それだけの多種多様な仕掛けがあり、26万円のチケットにも殺到する熱心なファンがいるにもかかわらず、観客動員数は'05年の日本一、'07年の約170万人をピークに減少傾向にあるということだ。
昨年の観客動員数は推定約130万人。地域意識の薄い首都圏近郊チームの難しさ、最下位に沈んだチーム成績、3月に起きた震災が湾岸地域に及ぼした影響などの要因が考えられるが、外から見ていると何故この球団の数字が伸びてこないのかは疑問に思えてしまう。
「ライトの席取りでいつも苦労しているのであんまり感じなかったですけど、確かに内野席やレフト側はあんまり入っていないような気もします。球団がいろいろやってくれているのは有難いと思いますし、マリーンズ自身も本当に面白いチーム。僕の周りはみんな熱狂的なマリーンズファンだし、球場に来たことない人を連れてくれば、一発でマリーンズファンになってくれるんですけどね。千葉の中心部にファンが固まっているのか、球場が駅から遠いのか……何が原因なのでしょう」(稲毛区・金澤さん)
地元の「千葉色」をアピールするチバチバしい球団運営。
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千葉移転20周年という節目の年を過ぎたマリーンズは、今シーズン改めて球団としての方向性を再提示した。
それが、「Thanks 20 years “ALL for CHIBA” シリーズ 」である。
今季、マリンを訪れた人は「やっぱりちーばーちーばーこのばーしょーが大好きさ♪」というフレーズがヘビーローテーションで繰り返されているのを耳にしたのではないだろうか。この曲「千葉、心つなげよう」は、「Thanks 20 years “ALL for CHIBA” シリーズ」のひとつとして、球団の枠を超え「千葉の人たち全員が歌える曲」という大きな志の中から生まれた。球場以外でも、ローカルのチバテレビやらで頻繁に流れているとか。
そう、今季のマリーンズは「千葉」なのだ。いや、'92年の移転以来ずっと千葉の球団として地域に根ざした球団運営を目指してきたのではあるが、今年はより一層「千葉感」が色濃くなったというのが正しいか。
その軸となる「Thanks 20 years “ALL for CHIBA” シリーズ 」(6月~9月の各球団との全5試合)は、地元千葉への「今までの感謝の気持ち」と「今後も千葉とともに闘う思い」を前面に押し出した企画であり、先の楽曲の制作をはじめ、21年目で初のCHIBAユニフォームを発表したり、マリーンズ版エアバット『ちバット』での応援を作ってみたりと、実にチバチバしい試みを続けている。