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26万円の超高額チケットが即完売!
千葉ロッテの奇抜なアイデアに学べ。 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2012/07/25 10:31

26万円の超高額チケットが即完売!千葉ロッテの奇抜なアイデアに学べ。<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

QVCマリンフィールド名物の花火。毎週金曜日、交流戦ナイターのほか、夏休み期間中は全試合で打ち上げられる。

「プロ野球とは非日常的な空間であるべき」(球団広報)

 さらにこの夏休みの企画では、もはや夏の風物詩となった12球団イチの300発の花火を今年も打ち上げるほか、ロンドン五輪に対抗して毎試合前に「マリーンズグランプリ」というファン参加型の「なんらかの1位」を決定する日替わりイベントを開催するのだとか。

 何をするかといえば、お笑い芸人の360°モンキーズの杉浦氏(イースラーの人)を特別審査員に招いて「マリーンズモノマネグランプリ」(7月27日)だったり、マリン名物とでもいうべきか、ウグイス嬢が放つ独特の「サブローーーー」コールにあやかって、誰が一番「サブロー」を長く叫べるかを競う女性限定の「サブローグランプリ」(29日。勝った人はスタメン発表もできるらしい)をやったりと……とにかくまぁ、この球団は実にユーモアとウィットに富んだ企画をよくも考えつく。

「いろんな方面から『よくやるねぇ』と言っていただきますが、僕らとしてはまだまだですよ。貪欲に貪欲に、全球団職員が昨日よりも新しく面白いことを作っていこうと日々アイデアを出しています。超高額シートなどの企画も、観客動員に直結するものではないですけど、話題性を提供し一般のお客さんにも『マリンでは面白いことをやっているな』と思ってもらう狙いがありますからね。プロ野球とは非日常的な空間であるべきであり、球場とは日常のストレスを発散しにきていただいている場でもあるので、夢のある商品、時に奇抜で面白おかしい商品があってもいいとも思いますしね」(広報グループチーフ梶原紀章さん)

OBが専属で解説についてくれる“プレスシート”も。

 バレンタイン監督の2期目となった'04年あたりから、球団改革と並行してファンサービスを充実させていった千葉ロッテ。奇抜なアイデアと「面白そうだと思ったことには挑戦してみる」という実行力、選手の協力体制などもあって、今やQVCマリンは、イベントは面白いわ、メシの種類は豊富だわ、ビールがウマイわ、風は強いわ、岡田は飛び回るわの、ボールパークの名に相応しい夢とエンターテイメントが溢れる野球場となった。

 ライトスタンドは今日も今日とて大入り。だが、その熱すぎる応援故にマリン=ライトスタンドと盲目的に捉えてしまっていた筆者のように、見落としていたことが意外とある。例えば、バックネット裏、里崎の構える真後ろにある記者席を改造したプレスシート(1万2000円~)では、元祖Mr.ロッテ・有藤通世氏などのOBが専属で解説についてくれるということ。10人で観戦できる個室のパーティールーム(6万円)やらオープンデッキシートを併設したバー「バル・エム」なんてのがあること。ついでに言えば、それらは意外と空いているということ。

【次ページ】 多彩なアイデアで勝負しても、観客動員数は減少傾向に。

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