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清武弘嗣が移籍早々に見せた、
ドイツで成功するための2つの条件。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2012/07/20 10:32
入団会見で「Nennen Sie mich “Kiyo”」(僕のことをキヨと呼んでください)と挨拶。チームメイトからも早速、“Kiyo”と呼ばれている。子供たちにも人気だ。
まずはロンドン五輪で「一番輝いているメダル」を。
翌日の『ニュルンベルガー・ナハリヒテン』紙の紙面は、賛辞であふれていた。
「清武は数日前にやってきたが、明らかに旋風を巻き起こしている。この小さな日本人はピッチに入ると、前線には落ち着きをもたらした。そして、おそらく少し大げさかもしれないが、新たな時代をもたらしているのだ」
もっとも、清武は満足する素振りなど見せずに、課題を口にした。
「ボールを失う回数がちょっと多かったので。しっかりキープしないと周りにも迷惑をかけますし。もうちょっと良いプレーが出来れば良かったと思います」
このあと、ロンドン・オリンピックを戦うU-23日本代表に合流するために、ひとまずチームを離れた。当面は、「一番輝いているメダルをとりたい」と語る目標のために戦うことになる。
清武にとって幸いなのは、今季のブンデスリーガの開幕がEUROの影響もあり、例年よりもはるかに遅いことだ。昨季は8月の第1週に開幕したのだが、今季はなんと第4週にシーズンが始まる。ちなみにニュルンベルクの初戦は8月25日。8月11日に行なわれる、オリンピックの決勝まで勝ち進んだとしても、そこから2週間も残されている。
清武はいつニュルンベルクに戻ってきても、大きな期待と歓迎を持って受け入れられるはずだ。それほどのインパクトを最初に残したことは、今後の清武にとって大きな意味を持っている。