SCORE CARDBACK NUMBER
前主将・菊谷を復帰させた、
指揮官エディの真意。
~ラグビー日本代表スコッドを読む~
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byShinsuke Ida
posted2012/06/09 08:00
2008年11月より代表主将を務めた菊谷。昨年のW杯はFLまたはNO8として全試合に出場。
「おぉ……」
配られたメンバー表を見た報道陣から、どよめきが上がった。5月23日に開かれた、パシフィックネーションズ杯(PNC)の日本代表発表会見。代表リストには、昨年のW杯で主将を務めながら、今春の新体制始動時には外れていた、菊谷崇の名前があったのだ。
「アジア5カ国対抗での選手の取り組みぶりには満足している。しかし、我々は常に成長し続けなければならない。より強くなるためにこのスコッドを選んだ」
エディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、そう言うと菊谷の名を挙げた。
「菊谷は日本でトップクラスの才能を持つ選手の1人。これまでは第3列だったが、新しく左ロックに挑戦してもらう。世界のレベルでは、左ロックにはスピードとスキルが必要。菊谷とは先日名古屋で直接会ってそれを話し、彼自身から『挑戦したい』という言葉を聞いた」