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モロジーニの突然死が鳴らす警鐘。
セリエの選手たちは働き過ぎなのか? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2012/04/27 10:31

モロジーニの突然死が鳴らす警鐘。セリエの選手たちは働き過ぎなのか?<Number Web> photograph by AFLO

リボルノと、かつてモロジーニが在籍していたビチェンツァは、彼の背番号25番を永久欠番にすることを決定。またモロジーニが下部組織で所属していたアタランタはスタジアムの南側ゴール裏スタンドの名称を「ピエルマリオ・モロジーニ」とすると発表した。

過密日程の解消は課題だが、突然死は減少傾向に。

 過密スケジュールによって蓄積した疲労は、シーズン後の夏季バカンスで解消することが重要になってくる。1年のサイクルを異にする日本では理解しづらいが、欧州主要リーグ国のシーズン秋春制は、学校や職場での年度単位としても一般社会に広く根付いており、夏の長期バカンスでの“心身のリセット”は欠かせないものだ。

 しかし、今夏、ユーロが終わっても満足なバカンスは望めない。

 すぐにプレシーズンキャンプと慌しい移籍市場が控え、その後にはブラジルW杯欧州予選が始まる。イタリア・サッカー界のカレンダーに今や余裕はほとんどない。'04年以来途絶えているセリエAの18チーム制回帰論も有識者の間から出てきているが、極まった過密日程の解消とリーグ全体のレベル再強化のために課題は山積みである。

 モロジーニの死因は、司法解剖を経た今も解明されていない。ただ、事故の検証が進む中で、過去20年間に同国アスリートの突然死が激減しているという朗報も明らかになった。その背景には各国に先駆けて法制化されたイタリアの厳格なメディカル・チェック体制がある。

 ベストコンディションによる好ゲームは、選手本人だけでなくクラブや代表、サポーター……サッカーに関わる全員にとっての願いだ。アッズーリの夢を追ったモロジーニも、今夏ユーロでの熱戦を天空から見守るにちがいない。

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