濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
RENA、神村エリカを超えるか?
究極の“女子高生ファイター”魅津希。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2012/04/23 10:30
4月13日、「SHOOT BOXING2012~Road to S-cup~act.2」で魅津希(写真左)は未奈と対戦。「同じ条件で闘いたい」と未奈の計量オーバーによるペナルティのグローブハンデを拒否。その上で、3R1分1秒TKO勝利と圧倒的な実力を見せた。
ジュニア格闘技の激戦区、愛知が生んだ才能。
この落ち着きは“場数”のなせる業なのかもしれない。所属する白心会に彼女が入門したのは小学校4年生の時だ。プロデビューが早いだけでなく、アマチュア(ジュニア)でも試合経験を積んでいる。
まして魅津希が生まれ育った愛知は“ジュニア激戦区”だ。2009年にK-1甲子園を制した野杁正明(18歳)、同い年で今年優勝の小川翔、WPMF日本王者の日下部竜也(19歳)は名古屋のOISHI GYM所属。日下部をKOしてKrush王者となった瀧谷渉太(23歳)は豊橋市の桜塾で腕を磨いた。OISHI GYMには、J-GIRLSトーナメントで魅津希を下した大石ゆきのもいる。
身近な目標や強いライバルと子ども時代から切磋琢磨してきた経験を持つ彼ら、彼女らが、いまプロの世界で“才能の奔流”を起こしているのである。
盛り上がりを見せる女子というジャンル。子ども時代から格闘技に慣れ親しんだ“格闘ネイティブ”世代であること。さらには愛知という“場の力”。魅津希は格闘技界の新潮流を体現するファイターだと言えるだろう。RENAや神村と同様に、彼女もまた時代を背負うポテンシャルを持っていることは疑いようもない。