濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ケージで勝てる日本人ファイターを!
長南亮が挑む“MMA虎の穴”に潜入。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2012/04/08 08:01
2012年4月1日、練馬区に自らが代表を務めるジム、『TRIBE TOKYO M.M.A』をオープンさせた長南亮。UFCの舞台で戦うため、日本人としてはいち早く渡米し、カリフォルニアのジムで本場のMMAトレーニング方法を身に付けてきた。
「これからは違う。俺たちにはジムがある」
目指すのは「UFCで勝てる選手」の育成。アメリカで学んだテクニックを指導するのはもちろん、マットスペースとウェイトトレーニングスペースの仕切りはケージになっている。ここではケージ・ヒジありの闘いを“リングの応用”ではなく“基本”として練習することができるのだ。
野球にたとえるなら、メジャーリーグの公式球とストライクゾーンを使った、球団の枠を超えた練習会である。
3月31日、シンガポールで開催されたケージ大会『ONE FC』に出場した長南の後輩・白井祐矢は、ブラジルの強豪ファブリシオ・モンテイロに判定3-0で完敗を喫した。ケージに押し付けられ、ヒジ打ちを浴びてポイントを失ったのが敗因だった。
ジム開設のため日本に残り、生中継を見届けた長南は、白井の練習を見る時間が少なかったことを詫びるとともに、ツイッターにこう記している。
「これからは違う。俺たちにはジムがある」
何年か後、日本人初のUFC王者が誕生する時、そこにはセコンドとして長南の姿が見られるかもしれない。