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浅田真央が3度目の世界女王目指す!
世界フィギュア選手権の見所を探る。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT
posted2012/03/28 11:40
佐藤信夫コーチの下で今シーズンは徐々に調子を上げてきている浅田真央。昨年の世界選手権は6位で終わったが「去年は凄く悔いの残る大会だったけど、ニースでは頑張って納得のいく演技をしたいです」と、その意気込みを語っている。
いよいよ今季もっとも重要な試合、世界選手権がフランス・ニースで開幕した。
シーズンはじめからどのコーチも選手も、この試合でピークが来るように調整してきたはずである。それだけに、GPシリーズで不調だった選手もこの大舞台では本領を発揮する可能性もあり、たとえトップ選手であっても気の抜けないレベルの高い試合になるだろう。
女子のタイトルは、浅田真央とイタリアのカロリナ・コストナーの間で競われることが予想される。
これまで3回、世界選手権の表彰台に上がったコストナーだが、まだタイトルを手にしたことは一度もない。GPファイナルの初タイトル、4度目の欧州選手権タイトルを手にして波に乗っている今季は、彼女にとって絶好のチャンス。本人もその気で手堅い戦いぶりを見せてくれることだろう。
女子で世界女王を3度以上取ったのはK・ヴィットとM・クワンだけ。
浅田真央は12月に最愛の母を失うという人生最大の悲しみを乗り越え、そのわずか3週間後には5度目の全日本タイトルを手にした。2月の四大陸選手権ではサルコウなどの細かいミスで2位となったものの、シーズンはじめから見ると全体の調子は着実に上げてきている。
彼女にとっての勝負は、他の選手との戦いではなくどこまで自分らしい演技ができるかに尽きる。
四大陸ではフリーでトリプルアクセルを含む6種類の3回転ジャンプを予定していたが、ノーミスで滑ることはできなかった。ここで同じ構成の演技をノーミスで滑りきることができれば、彼女が3度目の世界タイトルを手にすることになるだろう。
1970年以降、女子で3度以上の世界タイトルを手にしたのは、カタリナ・ヴィットとミシェル・クワンだけである。