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ランジェリー・フットボール、
そのめくるめく享楽の世界。
~魅力はセクシーさだけにあらず!~
text by
芦部聡Satoshi Ashibe
photograph byNewscom/AFLO
posted2012/03/29 06:00
『ランジェリー・フットボール 2011-2012シーズン』 WOWOWライブにて 毎週金曜深夜0:00から放送中。
アメリカはエンタテインメント大国だ。大統領選ですら手に汗握るスーパーファイトに仕立て上げるのだから、娯楽の王様たるスポーツでは言わずもがな。「楽しくなければテレビじゃない」を旗印にバラエティ路線を突き進んだフジテレビに倣えば、「楽しくなければスポーツじゃない」のである。
フットボール(アメリカなのでサッカーではなくアメフトのことを指します)の頂点を決めるスーパーボウルは、全米最大のスポーツイベントだ。今年の視聴率は47.8%で、米国テレビ史上最多となる1億1130万人が視聴したというから桁外れのスケールである。まさに国中を挙げてのお祭り騒ぎに果たし状を叩きつけたのが、まったく新しいスポーツエンタテインメント“ランジェリー・フットボール”だったのだ!
ジャネット・ジャクソンの卑猥なパフォーマンスの真相!?
はちきれんばかりのボインな美女たちが、最小限の防具とステキな下着だけを身につけてフットボールに興じるという、そのものズバリの競技なのだが、発端は'04年2月1日に遡る。スーパーボウルの裏番組として、ハーフタイムショーの時刻にぶつけて放送されたペイパービューにチャンネルを合わせた好事家はなんと数百万人! ちなみにこの年のスーパーボウルのハーフタイムショーに出演したのは、卑猥なパフォーマンスに非難が殺到したジャネット・ジャクソン。今から思えば、ジャネットが胸ポッチをさらけ出したのは、ランジェリー・フットボールへの対抗意識だったのかもしれない。
パロディ的なイベントとして始まったランジェリー・フットボールだが、全米の美女愛好家からの熱烈な支持を得て、リーグ戦を開催するまでに規模を拡大。'10年からは東西カンファレンス、計12チームによるリーグ戦が行なわれ、月曜夜のNFL中継と同じく、“フライデーナイト・ランジェリー・フットボール”として人気を博している。これまで日本では指をくわえてネットの情報を漁るしかなかったが、本場のムチムチした熱気を昨年の10月からWOWOWが直輸入。お茶の間に居ながらにして、ナマのランジェリーを拝めるとは慶賀の至りだ。